波瀬・巡礼の道を歩く

三重県松阪市(飯高町波瀬)に、「西国三十三所」の写し霊場があります。

国道166号の波瀬口窄口から「天開山 泰運寺」までの参道(約2km)沿いに、33の観音菩薩像がおかれています。これらの観音菩薩像は、江戸時代に泰運寺8代和尚が「西国三十三所」の写し霊場として設置されたものだとのことです。

一般にはあまり知られていない場所ですが、私もある関心事について調査(※)している際に、偶然知りました。

(※)県内で「天の川」がきれいに撮影できそうなスポットを探していました。その候補地の一つが「香肌峡」(同市飯高町)であった為、その周辺情報を調査している時にこの「波瀬・巡礼の道」の存在を知りました。 

(豆知識)

・西国三十三所・・・京都府・滋賀県・大阪府・奈良県・兵庫県・和歌山県・岐阜県に点在する33ヵ所の観音霊場のこと。その巡礼行は、日本で最も歴史があります。参考のため、本ページの末尾に霊場一覧を掲げました。

・日本百観音・・・西国三十三所・坂東三十三所・秩父三十四所を合わせた100ヵ所の観音霊場のこと。

「波瀬・巡礼の道」の位置

  「巡礼の道」がある飯高町波瀬は松阪市の西端に位置し、奈良県の県境にかなり近い場所です。

  波瀬駅に車を駐車し、参道入口から天開山泰運寺までの「巡礼の道」を歩いて往復しました。

  約6km強のコースです。

「波瀬・巡礼の道」(西国三十三所写し霊場)

 参道沿いの景観

 三十三の観音菩薩像(写真左より右へ、札番1~33)

(※ 江戸時代に設置された像は、その後の災害等により欠損・破損が進行していたため、近年全ての像が修復されたようです。従って、以下の写真は、全て修復後の観音菩薩像という事になります)

「天開山 泰運寺」

「天開山 泰運寺」は、「波瀬・巡礼の道」(西国三十三所写し霊場)の折り返し地点に位置します。

元文5年(1740)泰運了啓和尚によって開かれた曹洞宗の古刹で、「口窄(くちすぼ)さん」として親しまれているそうです。本尊は子安観世音菩薩像を安置しており、子宝や安産にご利益があるといわれています。境内には、八角の梵鐘、十三重塔、キリシタン灯篭、大黒堂などがあります。

境内各所で見られる観音菩薩像(修復前のものか?)

御朱印

(参考)「西国三十三所霊場」一覧